2020年鹿児島早場産地生育状況のご報告
令和2年3月6日(金)
新型コロナウイルス感染(COVID-19)の感染範囲が予想以上に拡大し、
弊社でも、茶業者研修会を開催する予定で準備・検討を進めてまいりましたが、
感染リスクを完全には排除出来ないという観点と、皆様の健康面、安全面を最優先すべきとの判断から、
苦渋の決断ではありますが、中止させて頂く事となりました。
大変申し訳ございませんが、何卒ご理解いただきますようにお願いいたします。
なお研修会で発表する予定でした「鹿児島県早場産地の生育状況」に付きまして、
調査員が下記の通り見解をまとめました。
参考までにご高覧くだされば幸いです。
2020鹿児島県早場茶産地生育状況報告
○調査期日 2月29日~3月3日
○種子島・屋久島茶産地
・昨年は台風襲来による潮風害や強風被害も無く、園相は総じて良好でした
・葉色は、昨年秋冬期から現在まで気温が高めに推移している為、例年に比べ緑色が増しています、茶樹の樹液流動も活発に行われていると思われます。
・二番茶以降の更新作業は計画的に行われており、樹勢の維持、適正芽数の調整に合わせた整枝等の茶園管理が行われていました。
・萌芽生育状況では、極早生品種(松寿、くりたわせ)はすでに開葉期を迎えており、昨年に比べて2~3日早い状況でしたが、 その他の早生系品種(さえみどり、ゆたかみどり)は総じて前年度並みの萌芽状況でした。
・昨年は台風襲来による潮風害や強風被害も無く、園相は総じて良好でした
・葉色は、昨年秋冬期から現在まで気温が高めに推移している為、例年に比べ緑色が増しています、茶樹の樹液流動も活発に行われていると思われます。
・二番茶以降の更新作業は計画的に行われており、樹勢の維持、適正芽数の調整に合わせた整枝等の茶園管理が行われていました。
・萌芽生育状況では、極早生品種(松寿、くりたわせ)はすでに開葉期を迎えており、昨年に比べて2~3日早い状況でしたが、 その他の早生系品種(さえみどり、ゆたかみどり)は総じて前年度並みの萌芽状況でした。
○南薩・大隅茶産地
・昨年11月以降の平均気温も、12月上旬に平年値を下回ったものの現在まで高い傾向にあります。 すでに早生系品種においては樹液流動が確認されており、今後の気温次第では更に活発になると思われます。
・園相は総じて良好ですが、昨夏期(8~9月)における干ばつの影響は大きく、 2番茶後に行われた一部更新園で、枝条の伸育にバラツキが見られました。 また着花、着蕾の残骸が見られたのも気象の影響だと思われます。
・葉色は、ゆたかみどりを中心に例年冬季の寒さにより黄緑色に見えますが、本年は緑 色が強く感じられる茶園が多く気温の高い影響だと思います。
・調査圃場においては、製造される荒茶品質を考慮にいれた茶園の栽培、更新作業が行われており、 葉の大きさ密度、葉層の確保、樹冠面から見た茎の太さの揃い等、本年一番茶生産に期待の出来る茶園が多くありました。
・生育状況においては、昨年同時期の萌芽率調査と比べ±5~7%位の範囲でしたので前年並みと思われます。
・昨年11月以降の平均気温も、12月上旬に平年値を下回ったものの現在まで高い傾向にあります。 すでに早生系品種においては樹液流動が確認されており、今後の気温次第では更に活発になると思われます。
・園相は総じて良好ですが、昨夏期(8~9月)における干ばつの影響は大きく、 2番茶後に行われた一部更新園で、枝条の伸育にバラツキが見られました。 また着花、着蕾の残骸が見られたのも気象の影響だと思われます。
・葉色は、ゆたかみどりを中心に例年冬季の寒さにより黄緑色に見えますが、本年は緑 色が強く感じられる茶園が多く気温の高い影響だと思います。
・調査圃場においては、製造される荒茶品質を考慮にいれた茶園の栽培、更新作業が行われており、 葉の大きさ密度、葉層の確保、樹冠面から見た茎の太さの揃い等、本年一番茶生産に期待の出来る茶園が多くありました。
・生育状況においては、昨年同時期の萌芽率調査と比べ±5~7%位の範囲でしたので前年並みと思われます。
総じて、昨年の気象は、全国的にも夏場は高温と干ばつ傾向、
秋冬期から現在にかけての気温は平年に比べ高めに推移している状況です。
このような気象の現象から茶樹自体の消耗度合いはどうか、デンプンの蓄積量は充分あるのか、
茶樹の休眠は充分行われたか幾つかの心配はありますが、茶園の管理作業が後手後手に回らないように常に気象の動きに気を配り、
各茶指導機関の情報に耳を傾け、用意周到な管理の上で一番茶を迎えて頂きたいと思います。
2020年3月6日
カワサキ機工株式会社
文責:営業部技術顧問 高岡